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夜間頻尿を考える 2

夜中に何回もトイレに起きてしまうと悩んでおられる方のために

 夜間頻尿の主な原因として多尿(特に夜間多尿)、膀胱容量の減少、睡眠障害が知られています。

 夜間多尿とは夜間の尿量が1日の総尿量の1/3以上となる場合です。1日尿量が1500㏄の方は夜間に500㏄以上の尿量がある方は夜間多尿となります。

 特に注意していただきたい事は、水分のとり過ぎです。水分をとると血液がサラサラになり、脳梗塞や心筋梗塞などが予防できると信じて寝る前や夜間トイレに起きた時にたくさんの水分をとる方が今だに多くいらっしゃることです。夜間に水分をとっても脳梗塞や心筋梗塞の予防にはなりませんので(水分摂取による予防効果の科学的根拠はまったくありません)、こういった生活習慣をされている方は改めていただくだけで夜間尿の回数が減ってくれます。

 高血圧の方で夜間のみ尿量が増えてしまう方がいらっしゃいますが、理由として日中は活動しているため腎臓に十分な血液が届かず(腎臓の血管抵抗が強いため)、そのため尿の生産が低下していますが、安静となる夜間には腎臓に十分な血液が流れるため、尿の生産が活発となり、尿量が日中より夜間に増えるため、と言われています。血圧のコントロールが大切で、降圧剤の服用や減塩食などで夜間尿の回数が減る可能性があります。