尿検査には大きく分けて2つの検査があります。
1つは尿一般検査で試験紙で調べる検査で、もう一つは尿沈渣検査で尿を遠心分離器にかけ尿中の細胞を集めて顕微鏡で尿中にどの様な細胞が出ているのかを調べる検査です。
今回は尿一般検査について述べます。
尿一般検査
尿蛋白
主に腎炎などの腎臓の病気の有無を調べる検査です。(+)以上の場合、再検査や詳しい検査がすすめられます。ただし、尿路感染や高熱が出た時、疲労などでも陽性となってしまうことがあります。
最近、健康診断で腎臓の機能を尿蛋白のみで済ましている健康診断が散見され、非常に残念に思っています。
尿潜血
血尿の有無を調べる検査です。(+)以上で再検査や詳しい検査がすすめられます。尿路感染、尿路結石、尿路の腫瘍、腎炎などの疾患の可能性が疑われます。
尿糖
糖尿病の可能性を調べます。かなり食事の影響に左右されてしまいますので、尿糖が陽性だからといって糖尿病とは限りませんので、血液検査の血糖値やHbA1cなどと併せて糖尿病の可能性やその重症度を判定します。
尿ウロビリノーゲン
肝臓や胆のうに病気があると血液中のビリルビンが上昇し、その誘導体である尿ウロビリノーゲンも上昇します。(++)または(2+)以上となった場合は肝臓や胆のうの疾患を疑います。
pH
尿中の酸性度をみます。多くの人は酸性尿(pH5.0~6.5)です。肉食で酸性尿、野菜食でアルカリ性尿となるようです。痛風や高尿酸血症といった尿酸値の高い方はアルカリ性尿が良いようです。