· 

不妊の原因の半数は男性にあります

 通常の夫婦生活があるのに一年間妊娠がなかった場合を不妊と言います。

 あまり知られていないようですが、不妊の原因の約半数は男性側に原因があります。

 男性不妊の主な原因は睾丸(精巣)の機能低下により、ちゃんと運動している精子が少なくなるため、受精が難しくなってしまうことです。

 比較的よく知られている原因の一つに精索静脈瘤があります。左右差があり、9割が左側です。一般男性の15%に認められますが、男性不妊の方に限ると約4割の方に精索静脈瘤が認められます。お子さんが一人いらっしゃる方が二人目を望んでもなかなか妊娠されない方(二人目不妊)の7~8割の男性に認められるとの報告もあります。

 少し込みいった話となりますが、解剖学的に左精巣静脈は右より長く、動脈と動脈の間にはさまれて静脈の圧力が高くなりやすいため、あるいは静脈の逆流をふせぐ弁が不十分で静脈の血液が逆流してしまい睾丸へ血流が向かってしまい静脈瘤ができるのではないかと言われています。

 精索静脈瘤により睾丸の温度上昇、ホルモンの逆流、免疫状態の変化などから睾丸の機能が低下してしまうと考えられています。

 生活習慣の注意として睾丸が温まると機能が低下しますので、長風呂やピッタリした下着等は避けて下さい。

 男性不妊ではないかと心配されている方はまず精液検査を受けて下さい。精液検査は採精後、短時間で検査をする必要がありますので、院内で検査のできる施設が望ましいと考えます。残念ですが、当クリニックでは院内検査が行えませんが、検査会社との連携により採精後、比較的短時間で検査を行っております(時間指定の予約検査となります)ので、スクリーニング検査を受けてみたいという方はご連絡の上ご来院下さい。