· 

性感染症について 1

 性行為またはそれに類似の行為によって感染する病気のことをいいます。以前は「性病」と呼ばれていました。

 淋病、クラミジア、梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、毛じらみ、トリコモナス、B型肝炎、C型肝炎、エイズなどです。

 症状がなく「性病検査」希望と来院される方がおられますが、単に性病というだけでも前記の項目が挙げられますので、どこまで調べたいのかはあらかじめ検討されることをおすすめ致します(症状がない場合はほとんどの検査項目が自費となります)。

 前記疾患のうち比較的頻度の高い疾患の男性に関しての症状等について述べます。

 

淋病

 感染してから症状が出るまでは2~7日くらいで尿道の痛み・かゆみ、尿道からの膿の分泌があります。淋病やクラミジアは感染している人の淋病は1~3割、クラミジアは1~2割の方のノドにも菌が存在していると言われていますので、口からも感染する可能性がありますので、注意が必要です。

 治療は抗生剤の内服か点滴です。最近の淋病は抗生剤がなかなか効かない薬剤耐性菌が多くなっており、内服薬では治療できず、点滴が必要な場合も多くなっています。

 

クラミジア

 感染してから症状が出るまでは1~3週間くらいで淋病より症状が比較的軽く患者さんは尿道の痛みよりムズがゆさを訴えます。また、尿道から透明な分泌液が出ることもあります。淋病とクラミジアを同時に感染している方が1割くらいいます。淋病もクラミジアも排尿後は良く手を洗ってください。良く手を洗わないで目に触れたりすると結膜炎等になることがありますので注意が必要です。

 治療は抗生剤の内服です。

 

性器ヘルペス

 感染してから症状が出るまでは2~10日くらいで、性器周辺に痛がゆさを伴った小さな水疱やただれなどができます。リンパ腺がはれたり、発熱することもあります。一度感染すると体の中にウイルスが潜んでいて免疫力が低下した時などに再発することがあります(これは口唇ヘルペスと同様です)。

 治療は抗ウイルス薬による内服が中心です。初感染などの症状が強い場合は点滴が必要な場合もあります。再発をくり返す場合は、前もって薬を処方しておき、症状が出現した時に直ぐに内服していただく治療法や継続して内服する再発抑制療法もあります。