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腎がんってどんな病気? 1

 腎臓にそもそもがんができるなんて聞いたことがない方も多いかと思います。そんな腎がんについて2回にわたり述べさせていただきます。

泌尿器科のがんの中では前立腺がん、膀胱がんに次いで多いがんで、50~60歳代から増加して70歳代前半の方に多いがんです。男性に多いがんで女性の約2倍の発症率(人口10万人あたり男性が8.2人、女性が3.7人)と言われています。

 腎がんの大部分は腎臓の尿細管(尿の再吸収や分泌などの働きをする部位)から発生します。

腎臓のイラスト

 芸能人等の有名人では作詞家の故 阿久悠さん、元プロレスラーの小橋健太さん、芸人のおぎやはぎの小木博明さん等が腎がんを経験されているようです。

  要因

 発生しやすい要因としては喫煙(非喫煙者の約2倍)や肥満が言われているようです。また、長期の透析患者さんにも発症しやすいと言われています。さらに遺伝子が原因で発症しやすい家系も知られています。

  症状

 私が学生の頃は血尿・腹部腫瘤・腰背部痛などの症状があると習いましたが、現在では無症状のうちに偶然人間ドック等の腹部超音波検査で発見されることが多くなりました。早期発見されることの多いがんの一つです。逆に症状のある場合はかなり進行した状況で発見される印象です。

 原因不明の発熱や全身倦怠感などを訴える方の中に腎がんの方がかくれていることがありますので注意が必要です。