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精液に血が混じるのですが、、

精液に血が混じっている状態を「血精液症」と呼びます。

血尿など体の中から出血があると何か重大な病気のはじまりかとびっくりしてしまいます。

血精液症は怖い病気でも恥ずかしい病気でもありません。また、決して珍しいものでもなく結構普通にある疾患です。

 

症状

 20歳代から40歳代に好発する病気です。出血の時期により赤から茶色まで様々な色となります。比較的新しい出血では鮮血色となります。その他、下腹部の不快感、頻尿、残尿感、血尿、排尿痛、射精時の痛みなどを伴うことがあります。通常、痛みを伴うことは少ないですが、痛みを伴う時は炎症が疑われます。

原因

 精液は精子・精のう腺液・前立腺液から構成され、大部分は精のう腺液と前立腺液です。原因は明確にわかっていませんが、精のうや前立腺からの出血であることはわかっています。炎症や血管からの出血が考えられています。まれに前立腺がんによる場合もあると言われています。

診断

 検尿、触診、超音波検査を行い、中高年以上の方には前立腺の腫瘍マーカーの採血を行います。超音波検査で異常を認めたり、腫瘍の可能性等でさらなる精査が必要と考えられる場合にはCT検査やMRI検査などを追加することがあります。

治療

 検査で問題のない場合には無治療で経過観察することも多いのですが、炎症がある場合には抗生剤の処方を行います。まれですが、活動的な出血(しばしば鮮血色)で症状が強い場合には止血剤の処方を行うこともあります。

 完全に血精液が落ちつくまでに数週間から数ヵ月(多くは1~2ヵ月)かかる場合があります。