「プロアクティブ」と聞くと市販薬のニキビの治療薬の名前を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、英語の「proactive」は「先取りする」とか「事前対策となる」といった意味です。
アトピー性皮膚炎などの皮膚炎では炎症が軽快して一見正常に見える皮膚でもミクロのレベル（顕微鏡で見えるレベル）では炎症細胞がまだ残っており、再び炎症を引き起こしやすい状態にあります。
この状態を放置してしまうとすぐに再発や再燃してしまいます。
そこで「プロアクティブ療法」ではステロイド外用薬、タクロリムス外用薬やコレクチム軟膏などの外用薬で毎日外用して十分良くなった後もすぐに外用を中止するのではなく、隔日外用とし、それでも再発がなければ週２回外用、週1回外用と外用回数をゆっくり減らしていく方法です。
再発した場合には、また元の毎日の外用にもどし、良くなればまた徐々に外用回数を減らしていきます。
ただし、ステロイド等の薬剤の外用薬を塗らない日でも保湿薬の外用は毎日継続します。
このようにすることでステロイド等の外用薬の総量を減らし、良い状態を長く続けていこうという考え方です。