危険なタリウム中毒

 先日、京都でタリウムによる殺害事件が起こりました。

 

 タリウムは、自然界にあまり存在していないので精製して使う必要があります。昔は、梅毒や結核に使われたこともあったようですが、中毒症状が頻発したため使われなくなったという経緯があるようです。

 

 また、ネズミの殺鼠剤として使用されていましたが、誤食も多かったことから1973年にWHOから使用中止勧告が出され、現在殺鼠剤にタリウムが入っていないため、一般の方が入手するのはとても困難となっています。産業分野では光学レンズや半導体にはタリウムが使用されているようです。

 

 

 タリウムは、水に溶けると味や臭いがないということです。

 毒性が強く、摂取すると腹痛や嘔吐のほか、めまいやけいれんなどの神経症状も出現し、成人の場合、約1グラムが致死量とされています。

 

 

  過去の主なタリウム事件としては、

 2005年に静岡県で当時女子高校生が母親にタリウムを摂取させた事件

 2015年に当時名古屋大学の女子学生が高校2年生の時に仙台市で同級生2人にタリウムを摂取させた事件がありました。

 

 

 参考文献

 

  薬師寺泰匡 とってもヤバい!タリウム中毒 日経メディカル