アルツハイマー型認知症の新薬(レカネマブ)が登場しました

アルツハイマー型認知症の新薬(レカネマブ)が登場しました

 認知障害や認知症の原因となる脳の病気には、アルツハイマー病以外にも様々な病気が知られています。

 今回登場した薬剤は、アルツハイマー型認知症に対する薬剤であり、投与可能な患者さんは、アルツハイマー病による軽度認知障害または軽度の認知症の方に限られています。

 

 

 

 アルツハイマー病は、脳が萎縮することで認知機能が低下してしまうことが知られていますが、その原因は、脳にアミロイドβと呼ばれるタンパク質がたまったり、リン酸化タウというタンパク質が塊を作って神経原線維変化と呼ばれる病変ができたりすることで、神経細胞が障害されて脳が萎縮してしまいます。

 

 

 レカネマブは、アミロイドβを除去することでアルツハイマー病の進行を抑える薬剤です。アルツハイマー病であっても認知症の程度が中等度以上の場合や治療の副作用(脳の腫れや脳出血等)のリスクが高い方には適応されません。

 効果は、症状の進行を約7.5ヵ月遅らせると言われています。

 

 

 

保険適応となりましたが、1人当たり年間約298万円の薬剤費がかかり、2週間に1度、原則1年半の点滴治療が必要となります。

 

 副作用の早期発見のため、定期的な脳の画像診断等が必要となるため現状では治療可能な医療機関が限られています。