ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、新薬(先発医薬品)の特許が切れた後(薬は発売後10年もすると特許が切れてしまいます)に製造販売される新薬と同一の有効成分を同一量含み、効き目が同等な医薬品です。
私が医師になった頃は、このような薬をゾロとかゾロ品と呼んでいました。意味は新薬の特許が切れた後にゾロゾロと新薬とは別の会社から発売されたことに由来するようです。
新薬を開発するためには膨大な開発費がかかってしまいますが、ジェネリック医薬品にはそうした開発費が抑えられるため、コストを節約できるために価格が安くなります。低価格の薬が先発品と同等であればジェネリック医薬品を選択したくなりますが、本当にデメリットはないのでしょうか?
まず、こんなに「ジェネリック医薬品」という言葉を聞くようになったのはどうしてでしょうか?皆様も医療費が高騰していることを聞かれたことがあることと思いますが、その原因の一つが薬の値段が高額なことによるのです。このため国は医療費抑制のためジェネリック医薬品の使用を積極的に推奨しています。そのために「ジェネリック医薬品」という言葉を急に聞くようになったということです。現在、ジェネリック医薬品の使用率は約8割を占めるまでになっています。
ジェネリック医薬品にデメリットはないのでしょうか?現在のジェネリック医薬品にはほとんどデメリットはないと言えます。私が医師となった頃のジェネリック医薬品が「ゾロ」と言われた時代には中小のメーカーが製造していたため主成分が同じであっても他の添加物が先発品とは異なることがあり、薬の吸収や効果に問題があったり、急に製造が中止されたりしましたが、現在はそういうこともほとんどなくなりました。ただし、まれに患者さんによってはジェネリック医薬品に変更したら効果が減弱した方もいらっしゃいますので注意が必要です。
一つ心配なことは先発医薬品を製造開発してきた製薬会社が新薬の開発への意欲の低下や中止につながってしまうのではないかということです。新薬の開発がなくなってしまうとまわりまわってそのつけが我々に帰ってきてしまうことです。
はしば泌尿器科皮フ科クリニックでは
薬剤にジェネリック医薬品が存在する場合は一般名(有効成分の名称)で処方していますので、調剤薬局にて先発医薬品かジェネリック医薬品かを選択できますので、薬局でご相談下さい。