イボにはいくつか種類がありますが、今回は主に子供の手足に見られるウイルス性のイボについてです。以前「水いぼ」について書かせていただきましたが、「水いぼ」とは異なる種類のウイルス性のイボです。
「水いぼ」も含めてイボはウイルスの感染症ですが、残念ながら有効な抗ウイルス薬はありません。いわゆる標準的な治療法としては液体窒素による冷凍凝固やサリチル酸の貼付等です。冷凍凝固は痛みが伴ってしまうため、小さなお子さんは継続が難しいことがあります。内服薬としてはヨクイニン(ハトムギエキス)くらいで作用としては免疫力を高めてイボのウイルスを攻撃するイメージです。
特効薬がありませんので治療に難渋することも多いのですが、暗示療法で治ることがあります。前向きな気持ちで治療をすることで免疫力が高まり、イボが治ると考えられています。
藤沢や鎌倉には有名なイボ取り地蔵があるようですが、わざわざ遠くのお地蔵様まで行かなくてもお近くにお地蔵様があれば心を込めてお参りされるとイボが治る可能性があります。
非科学的で若干宗教がかって医者の言うセリフではないとお叱りを受けそうですが、不思議と効果のある患者さんがいらっしゃいます。
また、別の例ですが、以前足に多数のイボのあった女児がいましたが、夏休みに1ヵ月ほど北海道の祖父母宅で過ごされ、帰って来られたところ、ほぼイボが消失していました。これなどは一種の転地療法と考えられます。
イボは本当に不可思議なことが起こります。