精巣(睾丸)腫瘍は、患者さんが相談しにくい病気の一つではないでしょうか?
そもそも精巣(睾丸)に腫瘍ができること自体が想像しずらいかもしれません。恥ずかしいからと放置してしまうと進行してしまいますので、とても注意が必要です。
詳細は不明ですが、芸能人では爆笑問題の田中裕二さんやネプチューンの堀内健さんも経験者のようです。
頻度は人口10万人当たり1人くらいと言われていますので、比較的まれな腫瘍です。
ただ好発年齢が20~30歳代の若年者がピークとなる腫瘍のため早期発見・早期受診が求められる腫瘍です。
症状
最も多い症状は、痛みを伴わない精巣(睾丸)の硬いはれです。3~4割の方に下腹部の重圧感や鈍痛が出現するようです。進行している場合には転移した臓器による症状(例えば肺に転移した場合には咳や息苦しさなど)で発見されることもあります。
診断
1. 触診
腫瘍の大きさや硬さ等を確認します。
2. 超音波検査
腫瘍の大きさ等を確認します。分かりずらい小さい腫瘍の場合などに特に有効です。
3. 血液検査
腫瘍マーカー(hCG,AFP,LDH)等を測定し診断の一助とします。
また、これらの値は治療効果の判断等にも用いられます。
4. CT検査
リンパ節や肺などの転移の有無などの検索のために行われます。
治療
腫瘍のある精巣(睾丸)を精巣上体(副睾丸)等と一塊として摘出します(高位精巣摘除術)。
手術後、組織検査の結果や病期の進行度により化学療法(抗がん剤投与)や放射線療法が行われます。
恥ずかしがらずに早期に受診していただきたい疾患です。
*特に20~30歳代の方には入浴時に精巣(睾丸)をご自身で触ってみるセルフチェックをおすすめ致します。