「若いうちから受けた方がいいですよね」
「がん検診は安全でリスクはないんですよね」
「がんは、とにかく早く見つけることが大切ですよね」
「早期発見のためには、頻繫に検診を受けることが必要ですよね」
という問いに対して「いずれもNoです」と言われたら、どう感じるでしょうか?
また、日本では、がん検診によるがん死亡率の低下が報告されていないと聞いたら驚かれるでしょうか?
日本ではそもそも正確な受診率さえ良くわかっていないようです。
まず、がん検診のメリット・デメリットから考えてみたいと思います。
がん検診のメリット
がん検診の目的(メリット)は、「がん死亡率の低下」であり、早期発見は、その手段です。
がん検診のデメリット
ではデメリットとしてはどんなことが挙げられるでしょうか?
・検査に伴って生じるトラブル
どんな検査でも予期しない合併症が生じる可能性があります。
例えば、大腸がんの精密検査である大腸内視鏡検査などは、少なくとも1万人に1人くらいの割合で入院を要する偶発症が発生すると言われているようです。
・偽陽性・偽陰性
がん検診で「がんの疑い(要精検)」と判定された方の90%以上はがんではありません。
また、「異常なし」と判定された方のうち0.1%くらいは検診後にがんと診断されているようです。
などです。
ではどうしたらよいのでしょうか?
がん検診は「受診年齢」と「頻度」を守って受診することで、症状が出る前のがんを見つけやすくなります。通常のがんは、数年かけてゆっくり大きくなっていきます。そのため定期的に受診することが大切です。
「がん検診の賢い受け方」という動画が公開されているようです。ぜひご参考になさって下さい。
参考文献
松坂方士 意外と知らない「がん検診」のいま 医歯協MATE
2022.11 No.333