2007年にLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)治療の手引きが刊行され、15年ぶりに改訂されました。
改訂前は診断基準として血清遊離テストステロン値が用いられていましたが、今回の改訂では血清遊離テストステロン値も使われていますが、主に欧米と同様に血清総テストステロン値が用いられています。
血清テストステロンの低下は早朝勃起の消失、性欲低下、勃起不全との関連が指摘されています。
テストステロン補充療法
治療の第一選択は、テストステロン補充療法ですが、乳がんや前立腺がん等で同療法が行えない方に今回の改訂では漢方薬治療の項目が独立して設けられており、漢方薬治療に携わっている私には特筆すべきことと感じました。
運動療法
また、薬物療法以外としては運動療法の項目が目を引きました。
肥満やメタボリック症候群の方は、食事や運動療法により1割体重を落とすことができると血清総テストステロン値が有意に増加することが報告されています。
肥満やメタボリック症候群の有無にかかわらず、ウオーキングやジョギング等の有酸素性運動を1回40~60分程度、週に3日以上行うと血中テストステロン濃度を上昇させる可能性があるようです。
運動(特に有酸素性運動)は、どんな疾患の予防や治療にも有益ということが言えそうです。