食物アレルギーは、小児期の1歳前後に最も多く認められる鶏卵、牛乳や小麦等が知られていますが、大人にも認められます。大人の場合、果物や野菜が多く、小麦、甲殻類(エビやカニなど)が続きます。
大人に果物や野菜のアレルギーが多いのは、花粉症の人が多く、ある種の花粉と果物・野菜のたんぱく質の構造が似ているので、花粉症の人でこれらのたんぱく質にも反応して、アレルギーを発症してしまうようです。
食物アレルギーの症状としては子どもでは、じんましんに代表されるような全身の症状が多いのですが、大人の場合には口やのどだけに症状が出ることが多いようです。
ただし、食物依存性運動誘発アナフィラキシーといって原因となる食物を摂取しただけでは症状が出ないのですが、食物摂取後2~4時間以内に運動をしてしまうとアナフィラキシーを起こしてしまうことがありますので原因食物によっては注意が必要です。原因食物としては小麦や甲殻類が知られているようです。
対処法
大人の食物アレルギーの場合、一度食物アレルギーとなってしまうと治りにくいと考えられていますので、まず原因食物を避けることが大切です。
ある種の食物では加熱すると症状の出なくなるタイプがありますので、そのタイプではしっかり加熱して食べるようにします。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーの場合は、原因となる食物を食べた後、4時間以内の運動は控えましょう。
参考文献
福冨友馬 健康ぷらざ No.561