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八代亜紀さんが患われた「皮膚筋炎」ってどんな病気?

「皮膚筋炎」ってどんな病気?

 先日、八代亜紀さんが73歳でお亡くなりになりました。

 報道によると皮膚筋炎の合併症である間質性肺炎で亡くなられたとのことでした。

 

 

膠原病の一つ

 

 

 皮膚筋炎は、膠原病の一つで、主に皮膚と筋肉に炎症が起きる病気です。膠原病は、免疫機能の異常により、自分の体を異物として認識してしまい、それを排除しようとすることが原因で生じる病気の総称です。

 

 男性より女性の患者さんが多く(男女比は1:2.6)、好発年齢は小児期(5~14歳)と成人期(35~64歳)が多いようです。


原因・特徴

 

 原因は不明ですが、免疫異常、ウイルスなどの感染、悪性腫瘍、薬剤の影響、遺伝的要因などが考えられています。

 成人の皮膚筋炎では3割の方に胃がんや肺がんなどの悪性腫瘍が発見されます。

 皮膚の特徴として

 

  •   上眼瞼部の紫紅色の腫れぼったい紅斑
  •   手指関節背面の盛り上がった紫紅色の丘疹
  •   手指の爪の周囲の紅斑
  •   背部や上腕の皮膚の萎縮
  •   肩・上背部の紫紅色の紅斑

 などが知られています。

 

八代さんの亡くなった直接の原因とされる間質性肺炎は、皮膚筋炎の3~4割の方に合併すると言われ、咳、息切れや呼吸困難などの症状を認めます。多くは慢性に経過しますが、ときに急激に進行する場合があり、八代さんの場合は残念ながら急速進行性間質性肺炎という重症の肺炎に罹患されてしました。