認知症にはアルツハイマー型、血管型、レビー小体型、前頭側頭型などの種類があります。
今回承認された治療薬はアルツハイマー型認知症に対する治療薬で「レカネマブ」に次いで国内2例目となる治療薬で「ドナネマブ」です。11月頃に保険適応される見通しです。
アルツハイマー型認知症の原因は、脳の中にアミロイドβなどの不要なタンパク質がたまってしまうことで生じます。これらの不要なタンパク質により神経細胞が変性・死滅することで脳の海馬や頭頂葉などが萎縮して認知症の症状が出現してくるようになります。
「レカネマブ」や「ドナネマブ」はアミロイドβを減少させることで認知機能や自立して生活を送る能力の低下を遅らせる効果が認められました。症状の進行を約7.5ヵ月遅らせる効果が認められたとのことです。
7.5ヵ月という期間は人によって「たった7.5ヵ月」か「7.5ヵ月も」か感じかたは様々だと思います。
「レカネマブ」と「ドナネマブ」との違いは、前者はアミロイドβが凝集してプラークとなる前段階の凝集体を中心に結合してアミロイドβを減少させるのに対して、後者は主にアミロイドβが凝集したアミロイド斑に作用してアミロイドβを減少させます。
「レカネマブ」の1ヵ月当たりの治療費が約33万円(自己負担額は1~3割)のため「ドナネマブ」も同様の高額となることが予想されますので、適応は「レカネマブ」と同様にアルツハイマー型認知症による軽度認知障害または軽度の認知症の方となっています。