マイコプラズマ肺炎が心配です

 マイコプラズマ肺炎が流行しています。

 

 マイコプラズマ肺炎はマイコプラズマという細菌による感染症です。

 マイコプラズマには百数十種類の菌が知られており、尿道炎を生じる菌もあるのですが、マイコプラズマ肺炎は肺炎マイコプラズマと呼ばれる菌による呼吸器感染症です。

 以前はオリンピックの行われる年(4年に一度)に流行することが多かったため「オリンピック肺炎」などと呼ばれていましたが、最近はその傾向はないようです。

 一般的な肺炎は高齢者が罹患するイメージですが、マイコプラズマ肺炎は学童期から成人に発症することが多く、高齢者は少ないと言われています。

 

 症状

 

 

初期はいわゆる風邪と同じで発熱、倦怠感、頭痛、咽頭痛などの症状が出現し、数日後に特徴的なたんのからまない乾いた咳が出現します。

 咳は解熱後3~4週間ほど続くために「長引く頑固な咳」と言われます。

 特に夜間や早朝に咳が激しいようです。

 


 感染形態

 潜伏期間は2~3週間で、新型コロナウイルス感染症と同様に飛沫感染(患者さんからの咳やくしゃみの飛散)で主に感染します。

 インフルエンザのように大規模な感染はまれのようですが、家族内や職場・学校内での流行は生じます。

 

 予防法

  

新型コロナウイルス感染症で経験済みですが、手洗いの励行やマスク着用、換気などがやはり大切のようです。

 


 治療

 マイコプラズマは一般的な細菌と異なり細胞壁を持たないので、よく処方されることの多いペニシリン系やセフェム系の抗菌剤に反応しません。

 マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系と呼ばれる抗菌剤が処方されます。